CBI③
こんばんは。
CBIもいよいよ佳境です。前回からの進捗について記載したいと思います。
Ideation
一番楽しみにしていたアイディア出しですが、アイディアが出ずに苦しみ続けました。
デザインシンキングプロセスを使えば簡単に良いアイディアが出るってもんではないですね。
チームで取り組んだ課題は、「人がまだ歩けるレベルの洪水(10~30センチ)が大都市で起きた時にどうやって移動できる手段を提供するか」というものです。これは何らかの手段で道の水を取り除いて洪水を解消することも解決策としてOKです。
この1ヶ月間、何回かに分けてアイディア出しをしましたが、中々これだというアイディアが出てきませんでした。逆に良さそうなアイディアが出てきても既に似たようなサービスが存在していることが後で判明するなど混沌とした日々が過ぎていきました。
●没になったアイディアの一部
ー水の流れを早くするスクリューを下水管に設置
ー街全体を覆う巨大な傘を設置
ー巨大な掃除機で水を吸い込むで海に流す
ー水に浮く道を設置
ー水はけの良いコンクリートを使ってスポンジシティを建設(既にあり)
ー濡れても乾かせるよう駅等に大型ドライヤーを設置
ー完全防水スーツ(既にあり)
ー空飛ぶバイク(既にプロトタイプあり)
ーマンホール発見機(インドでは大雨の時にマンホールのふたを取ることがあるため)etc
その後2週間前に以下3つのアイディアに絞ることになりました。
1.洪水の中でも安全を担保できるジャケットや靴
2.ビルや家の上に降った雨を道に流さないようにするための何か
3.道につけたセンサーで水位や汚染物質を測ったデータをマップに反映させて遠隔地から状況を確認できるアプリ
そこから今度は実現性のチェックです。
1→発案者が入院して、十分なリサーチできず
2→屋根に二重構造のグリーンルーフを設置しようとしたものの、ターゲットとなる顧客がいるのか?建物が重量に耐えられるのか?という点が問題となり断念。
3→実現できそうなものの、センサーデータのビジュアル化はオリジナリティーがないと教授陣からストップ
その後Smart Drainage system(下水管にセンサーを付けてゴミを効率的に発見したり、下水管内の流れをセンサーと後付けのゲートで自動コントロールするなど)について議論しましたが、プロトタイプを作成しないといけないことや今から深くリサーチする時間がないということでこれも却下になりました。
今週に入り、再度チームで洪水全般でどんな問題があるかを議論しました。
そこでAwareness(意識)の問題を議論した際に最近読んだ以下の災害心理学の本を思い出しました。
人はなぜ逃げ遅れるのかー災害の心理学 広瀬弘忠(著)
ドキュメント豪雨災害 谷山宏典(著)
Awareness!!
災害心理学の観点から人が逃げ遅れることは常識のようです。それは正常性バイアスというものが働いて災害が起こる可能性や自分が被るダメージを過小評価してしまうからだそうです。
"自分には怒らないだろう"、”今まで洪水は起こらなかったのだからこれからも起こらないだろう"と思い、正常な判断ができなくなってしまうのだそうです。
ではどうすればいいのか?
本を読んだ理解では現状把握(過去の災害やハザードマップ確認)、避難時のプランニング、本気の避難訓練を行うことで正常性バイアスに影響されずに行動を起こせるよう準備しておくことが重要のようです。
または2018年の西日本豪雨では情報に加えて危機感を感じたことで避難行動をした人が多数いたようです。逆に言えば情報だけでは人は動かないようです。
そこから正常性バイアスを打ち破るくらい人々の意識を変え、発生しうる洪水に対して前もって準備をするように促すソリューションを検討しようという流れになりました。
運よくその翌日に洪水の専門家とのミーティングがあったので専門家のアドバイスも反映させた案を基にプレゼン資料を作成しました。
プレゼンは前日の夜に完成して、チーム4人でプレゼンしようと提案したものの、インド人が「俺は少なくとも1日は練習が必要だからやりたくない」と駄々をこねたため、結局英語が一番下手な私が彼の分までプレゼンしなければならなくなりました(今はその反動でどっと疲れが出ています)。先ほどプレゼンしましたが、このMBA期間中に準備時間がなくてもそこそこのレベル(ビジネスではアウト)でプレゼンできる程度までレベルアップした気がします。
コーチ陣からの反応はまずまずです(時間の関係で別のアイディアにしろとはこの段階では言われません)。とりあえず今回取り組むべきソリューションが決まってほっとしました。
CBIも残り2週間です。レポートはインターネット上にアップされてしまうので恥ずかしくないレベルまで頑張って持っていきたいと思います。
以上